2000年に施行された介護保険法は3年毎に法改正が行われている。もちろん、介護の仕事に興味がある人であれば耳にしたことがあるだろう。

ただ、実際のところ、介護保険法が改正されることにより、介護職員が享受できる恩恵があることを理解している人はごく少数だといえる。そこで今回は、介護保険法改正によって介護職員が享受できるメリットについて紹介しよう。

介護保険法改正により、介護職員が享受できる一番メリットは、要件を満たした介護職員の一律の賃上げだ。

要件として、介護福祉士資格を所持しており、勤続10年以上働いている人が該当する。要件をクリアしている場合、一律8万円の賃上げが行われている。この賃上げの背景としては、介護を必要とする高齢者が急激に増加している一方で、介護職の人員が未だ必要人員を下回っていることが挙げられる。政府はこれを懸念し、介護職への流入を増やす目的で現役の職員の待遇改善を図り、離職を0にする運動を推し進めている。

以上、介護保険法の賃上げについて書いたが、この制度は他にも介護業界内に色々な影響を及ぼしている。もし、介護の世界で活躍したいと考えているのであれば、介護保険法の基本をしっかり抑えておいた方がいいだろう。

介護離職を防ぐためには、介護職員が無理なく働ける環境づくりが必要だと考えられる。今、介護業界では人材不足が原因で一人あたりの仕事量がかなり増えてしまっている。このまま過酷な労働が続けば、職員がどんどん離職していくのは目に見えている。そんな現状を打破するための解決策として、最新のIT技術やロボットを駆使して、一人あたりの労働量を楽にすることも考えられている。

これからの高齢化の波を乗り越えるためには、こうした多方面から対策を講じることが必要不可欠だろう。